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いつだって自信のない「僕」のものがたり。

lyrics

そして僕はしわくちゃの手紙を破いた
伝えられなかった想いがゴミ箱に散る
二枚目の便箋に染みができそうになって
慌てて目を拭った手で何ができただろう

君を抱きしめられなかったその痛みは
まるで尖ったペン先にも似ていて
ぐさりぐさり心を刺す
消えない傷を残した

何もない僕に君が与えてくれた愛に
狼狽えて戸惑ってそれでも君は
優しく見守ってくれたのに
唯一返せるものがこの紙クズさ
ああ


そして僕はこの椅子を蹴って立ち上がった
威勢だけがいい弱虫に笑いも出てこない
書けないならばこの口で叫んでやろう
もう一度だけ君の前で言えなかった言葉を

君の細い手を引くのが夢だったけど
その夢は夢のままでもいいんだからさ
せめて腕を伸ばさせてよ
消えない想い残したい

何もない僕に君が与えてくれた愛に
驚いて躓いてそれでも君は
優しく笑ってくれたから
唯一返せるものが謝罪なのさ
ああ


角を曲がれば君の部屋まであと十メートル
不意に君が顔を覗かせて
硬直し捨てた想いをぶちまける僕に
抱きつき放った言葉は「ありがとう」


何もない僕に君が与えてくれた愛に
いつの間にか知らず知らずにそれでも僕が
君に何か与えられたなら
何もなかった僕はもういないのさ
ああ


この心には君がいる

credits

from は​た​ち​コ​ン​ピ, released April 30, 2017
music: ゆか
vocal: 英翠韻作蓉

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